「データの比較評価」がデータ分析の基本



 



横浜国立大学の「ビジネスデータ分析」の授業が今年も始まりました。



この授業は、いきなり分析方法をガンガン教えるのではなく、まずはデータから情報を引き出し、自分なりの結論を出すための思考訓練から始めます。



具体的には、次のようなお題を最初にノーヒントでやってもらいます:



 



なんでも良いので2つのデータを集めて、その2つを比較評価して発表してください



 



すると、今どきの学生は簡単に面白そうなデータをどこからか集めてきます。



Excelを使ったグラフ化なども多くの学生が既にできます。ところが、その発表を聞くと共通した”問題”があることに気づきます。例えば、



 



・人口が違う日本とアメリカの数(例えばスマホユーザー数)をそのまま比較してしまう



・発表内容が、データ分析の結果をそのまま読み上げるだけで、一体そこから何が言えるのか、という”結論”が述べられていない



 



いずれもそのあとしっかりとしたデータ分析、そして説得力のある結論を導くためには致命的です。



この問題を早い段階でクリアすべく、以下のポイントを伝えて、これらを満たすようにデータを見てもらうことを行います。



 



(A)同じ土俵で比較できていますか?



人口、広さ、規模などの違いを考慮して、適切な評価ができているかを確認しましょう



 



(B) 比較“結果”ではなく、“結論”を導けていますか?



 単に、見えていることをなぞっただけではNGです。



「結局言いたいことは何なのか」つまり”結論”が書かれていることが絶対です。



もし、その結論を言い切るためには、今のデータだけでは不足なのであれば、更にどのような



データがあると、どのような結論が言えそうなのかという仮説を述べることができると次の深掘り(分析)につながります。これが目指すところです。



 



(C) 導いた結論は、事実(データ)に基づいていますか?



自分の想定を織り込み過ぎないで、客観性をどこまで担保できるか。



気が付くと、自分なりの解釈がどっさり入った内容を述べてしまっていることに気づきます。



自分の解釈と事実とを適切に判別できる客観的な視点を養うことが必要です。



 



大学の授業では、個人個人の作品を発表し、「できているところ」「改善できるところ」を議論します。それを経験するだけで、本当にデータの扱い方、情報の取り方、伝え方が身に着きます。



 



難しい分析や統計理論に手を付ける前に、まずはこのような訓練をじっくりすることだけで、受講者のデータセンス(力量)は各段にアップします。これは大学生に限った話ではありません。



民間企業でも自治体の現場でも同じく必要なスキルだと断言できます。



そして、これらを実務経験を持ってお伝えできるプログラムは他にはありません。



ご興味ある方は一度ご相談ください。職場に適したカスタマイズ・アレンジも可能です。





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実務データ分析虎の巻Vol.5(データをKPI策定にうまく使うには?)



 



これまで各部門が自己最適のKPI(指標)を決めていたが、組織全体最適の指標を作り直したい。営業が効果的、効率的にアクションが取れる指標を、今あるデータから分かりやすく導けるようにしたい、などKPIをどう作り、モニター結果をどう分析すべきかというご質問やコンサルの依頼が増えています。



 



目の前にあるデータからわかるものをとりあえずKPIにしているケースも多く、その場合、上位の目標と繋がっていないことが致命的な問題となります(もっとも、KPIや指標をあまり意識せずに事業を回して、結果だけ記録しているケースもたくさんあります。でもこれでは必要なときに必要なアクションは取れませんよね)。



適切な指標を組み立てるには、次の手順(思考プロセス)が必要です:



(1)最初に、最上位のゴールとなる指標が何かを確認し、



(2)そこに相関がある変数を見つけ出します。



 



これらの変数から、実際に”アクションが取れる“ものを選択していくことで具体的なKPIに落とし込むと、ゴールに繋がっていると同時に、どんなアクションを取ればよいかも明確にわかる仕事に繋がります。



ここを目指したいものです。



bnr_toranomaki



 



 



ゴールを見据えたデータ集め



せっかくやり方を覚えたデータ分析の威力を、職場で十分に発揮するにはどうすれば良いのでしょうか。



「Garbage-in, Garbage-out」という言葉があります。
「ゴミのようなデータを使えば、どんなに分析手法が素晴らしくても、ごみのような結果しか得られない」といった意味です。



では、「ゴミではないデータ」とは何でしょうか。一般論で言えば、そのデータは仕事のゴールにどの位のインパクトを持つものなのか、を考えてみると分かります。



自分の職場だけで何となくモニターし自己最適だけに留まっている分析結果と、関係者がみなその分析結果がどのように自分達の最終ゴールに影響するものなのか把握できている場合とでは、成果が全く異なります。にも関わらず、前者のケースも少なくありません。



「このデータは何のため?」「これを知ると何ができる?」という問いに明確な回答ができるか否か、が確認する術の一つではないでしょうか。



昨日、新潟県燕市役所の職員の方を対象にした「実務データ分析研修」を実施しました。



民間企業とは違うとはいえ、地方自治体もこれから価値創造的な企画、運営ができないと立ち行かなくなるという市長をはじめとした職員の方々の危機意識とやる気から実現しています。



これ自体素晴らしいことですし、将来の大きなポテンシャルを感じます。



 



「数字(データ)を使って、ストーリーを描けるようになる」をゴールに、



・データ分析に取り掛かる前の課題や仮説などの「考え方」



・基礎的な数字を使った、状況把握や課題ポイントの特定



の2つをメインにお話しました。もちろん演習もたくさんやって頂きました。



 



燕市の本気度は高く、私も当然全力でサポートさせて頂いています。



私自身、燕市が他の自治体から一目置かれるような「価値創造型人材による自治体」となることをお手伝いできればと本気で考えています。



そのため、来年度は今回の超入門編の続編に続き、具体的な実務課題やデータを使い、プチコンサルを一定期間行い、具体的な成果や実を刈り取れる実習(実践)も行う予定です。



 



全国の自治体の皆様、ご興味ありましたら是非ご連絡下さい。



今までとは全く違う、実践的なプログラムをご提案致します。



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2月7日、都内で行われたSMBC主催のビジネスセミナー(データ分析セミナー)に登壇しました。



半日だけでしたので、実務で使うデータ分析のエッセンスを駆け足で纏めてお伝えしました。大変高い評価を参加者から頂きました。



いずれも、「もっと深く知る機会が欲しい」という要望が多かったことがうれしかったですね。2時間半だけで話すと、きっとそう感じるだろうなと思いながらやったので、本当にそれが伝わったのだと思います。



 



「もっと知りたい」「やってみたい」といった感情が出てくることが、”使えるようになる”ことの近道だと思います。その意味でも大成功でした。



今回は、特に多くの人が悩む「どうやって課題と分析を結び付けるのか」「仮説はどう作ればよいのか」という、データ分析に繋げるための考え方を深くやりました。



それが本当にヒットした感じです。これからもこの部分を重点としたプログラムも提供していきたいと思います。



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