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実務データ分析虎の巻Vol.5(データをKPI策定にうまく使うには?)



 



これまで各部門が自己最適のKPI(指標)を決めていたが、組織全体最適の指標を作り直したい。営業が効果的、効率的にアクションが取れる指標を、今あるデータから分かりやすく導けるようにしたい、などKPIをどう作り、モニター結果をどう分析すべきかというご質問やコンサルの依頼が増えています。



 



目の前にあるデータからわかるものをとりあえずKPIにしているケースも多く、その場合、上位の目標と繋がっていないことが致命的な問題となります(もっとも、KPIや指標をあまり意識せずに事業を回して、結果だけ記録しているケースもたくさんあります。でもこれでは必要なときに必要なアクションは取れませんよね)。



適切な指標を組み立てるには、次の手順(思考プロセス)が必要です:



(1)最初に、最上位のゴールとなる指標が何かを確認し、



(2)そこに相関がある変数を見つけ出します。



 



これらの変数から、実際に”アクションが取れる“ものを選択していくことで具体的なKPIに落とし込むと、ゴールに繋がっていると同時に、どんなアクションを取ればよいかも明確にわかる仕事に繋がります。



ここを目指したいものです。



無題



 



 



 



組織の中でデータ分析結果の納得性を高めるものって何でしょう?



適切なデータや正しい分析作業も重要ですが、実は次のポイントも重要です。



 




  1. 課題から結論までの全体の整合した流れ(ストーリーライン)


  2. 分析対象とした課題の範囲とそれを選んだ根拠




 



これらの考えが抜けていて、全体の流れがロジカルでないと、いかに部分的に良い分析ができても、主張を全体として納得してもらえません。



例えば「顧客分析からこんな課題が分かりました」と言っても、「では売上が落ちている原因は顧客以外にはないのか」というごもっともな指摘を受けることでしょう。



全体像を見せてから、各論の詳細に入る(その各論を選んだ理由もデータで示すとベスト)という進め方です。



 



これはデータ分析の技術そのもとというよりは、“データをどこでどう使うか” が全体像とともに事前にきちんと把握、設計されているかという問題です。



 



研修の中でもこのような点を扱いますが、研修後の実務サポートの中で、具体的な課題を一緒に見ながらこのような視点を持つサポートもさせて頂いています。



私の無料メルマガで紹介している、実務データ分析のコツをこちらでアーカイブとしてご紹介していきたいと思います。今回はVol.1です。






データ収集や分析方法を選択する拠り所として「仮説」を持ちましょう、と言っています。ただ、中には「仮説の持ち方」そのものに慣れていない人も多いようです。
発想を助けてくれるいくつかの方法の内、“外部データに頼る”アプローチがあります。
極めて実務チックな(アカデミックではない)アイデアですが私も何度も助けられました。



例えば、横浜市は大都市の旅行者割合を示すデータを公表しています。
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/daitoshi/h23/data/h142200.xls



「旅行者のデータ」といっても、どんな点に目を向ければよいかすぐに思いつかないこともあります。その場合、このような外部(特にお役所のデータ)を眺めてみることで、 データの切り口や課題の軸に多くのヒントを得ることができます。



「旅行」と一口にいっても、「日帰りと1泊以上を分ける」、「国内と海外を分ける」、「目的ごとに分ける」などの発想を自分の目の付け所として参考にします。
後は自分の目の前のデータにもこのアイデアを応用してみると、仮説を立てるときの切り口になり得ます。例えば次のような仮説が出てくるかもしれません。



・ここ1年で、国内旅行者が減り海外旅行者が増えてきたのではないか
・景気の回復度合いにより、観光旅行と業務出張の間に相関があるのではないか



このように、データ分析は「分析手法を知っている」だけでは十分とは言えません。
データ分析の経験がある人は、みな無意識にやっていることなのですが、それを可視化
したり体系化したりできていません。
このような目の付け所があることを意識しながら自分で経験を積んでいくと、きっと早く上達することでしょう。



『間違いだらけのデータ分析 第11回』は、相関分析を実務で使うときの目の付け所(どういった課題のどこに着目すると、相関分析をうまく当てはめやすいのか)について、実際の応用事例と共に紹介しました。



併せて、相関分析の「4つのすごい!」と題して、次の4つを紹介しています。



(1)すぐに答えを出せる



(2)分かりやすく、相手にも理解されやすい



(3)単位が異なるデータ同士の分析が可能



(4)回帰分析など次の分析への橋渡しになる



 



また、今回は誌面では初めて、独立したことにも触れ、日産で「チェンジエージェント(社内コンサルタント)」として、いかにデータ分析が必須の武器であったかと同時に、組織の中で立ち回る難しさについても書きました。



是非、ご覧頂ければ幸いです。



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現在サポートさせて頂いている、三越伊勢丹様柳執行役員様との対談をコラムに掲載致しました。



是非ご覧ください。




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