実務データ分析虎の巻Vol.91~「正しい問いに答えていますか?」
データ分析で満足いく答えが出せない大きな理由の一つに「正しい問いが設定されていない(正しい問いに答えていない)」ことが挙げられます。
先日、某企業にて「データを活用して解きたい問題」を挙げてもらいました。
その中の一つがこちらです:
『人材不足により、効率的、効果的な営業活動ができていない』
会話の中であればこれで十分言いたいことは伝わりますが、データ分析においては問題アリです。
ポイントは2つあります:
①具体的になっているか
「効率的」「効果的」とは具体的に何を指しているのでしょう。
それを本人が分かっていないと、どんなデータを使って問題を捉えることができるか分かりません。
その結果、目の前にあったそれらしいデータをいじり始めてしまうのです
②「問題」と「要因」や「方策」とをごっちゃにしていないか
「人員不足により」というのは「効率的、効果的な営業活動ができていない」という”問題“の”要因“にあたります。
情報を見る前から、問題の”要因“を決めつけてしまい、その狭い範囲でのデータを集め、その中だけでの結論を作ってしまうことは、客観性、論理性の意味でも致命的です。
「正しい問いを設定する」ためは、データを使えばなんとかなることではなく、分析者が身に付けるべき論理思考、問題解決スキルが必要と言えます。
私の活動としても、こちらの重要性を強調し、スキルアップのサポートをさせて頂くことが増えました。