「このグラフから何が分かりますか?」と聞いてはいけません







   







私の研修やワークショップでは、例えばこういうグラフが出てきます。













これを見ながら考えてもらうのは、







「このグラフから何が言えますか?」







ではなく、







「このグラフを作ってみようと思った人は何が言えそうだと最初考えたのでしょう?」または「何が言いたかったのでしょう?(グラフ作成の前に)」







です。







   
前者は ”データやグラフ有りき思考” を前提とした質問で、誰かが作ったデータやグラフを読み解くことだけを求めます。それでは、自分の目的に合ったデータの選択(これを私は実務データリテラシーだと思っている)も、そのデータの必要な見方も考える余地はないですね。







でもこれ、本当に仕事で成果を出すためのデータの使い方なのでしょうか?







「データから何が言えるか」だけで本当に勝負できるのでしょうか?







     







一方、後者の質問は”目的思考”







私が目指すデータリテラシーとはまさにこのこと。







なので、このようなグラフを出しながらも、













「ここから何が言えますか?」などとは聞かず、







「これ作った人、何を知りたい(=目的)と考えたのでしょうねぇ?」







と聞きます。













『日経情報ストラテジー』「マネージャのためのデータリテラシー講座」第8回

の今回は”グラフリテラシー(グラフを正しく読み取る力)”について。



 



見た目や視覚に頼り過ぎると、騙されたり、勘違いしたりしがちなグラフ。

数字そのものや、まとめ方自体が間違っていなくても受け取るメッセージが同じになるとは限りません。そこに落とし穴があるのです。




そこで、正しく情報を読み取るためのスキルとは、について書きました。


今回は、次の3点について

1)折れ線グラフの「基点」はどこか

  折れ線グラフの最初(基点)を100と決め、そこからの推移を相対値で表すグラフをよく目にします。ところが、基点をどこに取るかによって、その印象はガラリと変わります。つまり、作成者が恣意的に印象操作することや、間違ったイメージを与えるリスクがあるのです。



2)省略された「軸」の危険性

 棒グラフの縦軸など、一部の縮尺を省略して書くと、見た目の印象(とくに変化の幅)が変わります。恣意的に変化を大きく見せようとすると、この手が使われることが多いようです。見る側としても注意が必要です。



3)印象が2乗にも3乗にもなる「立体」マジック

 立体の棒グラフや、3次元を意識した球体のバブルチャートなど、書き手に何ら意図が無くとも、見る側に課題な印象を与える(実際の数値の2乗や3乗の大きさの印象を与える)ことがあります。”見た目がきれい”にこだわり過ぎると”正確さ”を失ってしまいます。


ネタが多いので次号にも続きます。



また、今年後半には、これらマネージャ向けの内容を演習と混ぜて、日経BP社よりセミナーに昇華させることも計画中です。

是非お楽しみに!





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Excelはデータ分析にはとても便利なツールです。でも使い方を誤ると分析結果や作業効率が悪くなるときがあります。



 



今回は極めて実務的な、Excelで描く散布図の話です。



縦軸と横軸の関係を視覚的に表す手段として「散布図」はとても有効で、データの関係性を見るという意味でデータ分析の本質的なアプローチそのものでもあります。



 



ただし、使うデータを選ぶ際には縦軸、横軸に来るデータを間違いなく選ぶ必要があります。



通常、「アウトプット」を縦軸に、「インプット」を横軸に指定します。



例えば、広告宣伝費をインプットとすれば、そのアウトプットとしての来店者数を縦軸に指定します。



まずはこの縦横の関係を把握しておくことが大切です。



更に、Excelで散布図を書くときに、選んだ2列のデータの”右側“が縦軸に表示されることを覚えておくようにしましょう。



 



つまり、アウトプットとなるデータを列の右側に置いて、データ範囲を指定します。



 



ここを逆にしても散布図は書けます。ただ、縦横間違えたまま分析するとその結果は使い物にならない(または使いづらい)ことになりかねません。



ご注意を!


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