データは真実を映す鏡ではないかもしれない

データ分析のやり方には注目が集まるものの「データ選択」もそれ以上に奥が深く、結果に大きな影響を与える要素です。

にも拘わらず、この「データ選択」はないがしろにされがちです。

せっかく正しい分析手法を用いても、それでは正しい姿が見えません。

たとえばこちらの図。多くの人が成功のための「努力」をしていても、実際に夢が実現(成功)するのはほんの一握りの人だとします。

世の中に出てくる情報(データ)の多くは、この「成功した一握りの人」の情報です。
この人たちは皆「努力は裏切らない」や「夢を持ち続ければいつか叶う」といったことを口々に言うでしょう。

それをデータで分析(検証)すると、「やはり成功するには、努力や夢を持ち続けることが重要だ」という結果が出ると思います。

でも、それはごく一部の成功した人のデータで出した答えです。

例えば、残り99.9%の人も努力し、夢を持ち続けたかもしれません。それでも成功しなかったわけです。
ただ、この99.9%の情報は表に出てこないため、分析の範囲から漏れてしまうのです。

これ、至る所で起こっていないでしょうか。


「データで問題解決」をする大事なプロセス

純粋な企業研修に加え、実際の問題やデータを扱ったプロジェクト(実践)型のサポートが一気に増えました。

その中で、特に「データを使って問題を解決する」ときに“うまくいっていない”ケースの大半が、適切なプロセスを踏んでいないことが明確になってきました。

 こちらは、某IT企業で部長向けに行った『データで社内変革』の取り組みをした際に使ったものです。

一般論としても、いきなり方策や要因に飛んでしまっている「プロセスを守らない」ケースだけでなく、より致命的なのは、図中BやCの「問題定義」と「指標(データ)」選びが不適切なケースが少なくありません。

 「まず目の前のデータから何が言えるか」から出発してしまい、そこから見えたことから”方策“に飛ぶ。

これでは問題解決までの道のりは長いでしょう。

今年度もこのような実践的なサポートをどんどん行っていきたいと思います。


2024年度のご依頼・ご相談お急ぎ下さい

2024年度(2024年4月~2025年3月)のスケジュールが埋まりつつあります。

企業研修やセミナー、実践ワークショップなどをご検討の方は、ご依頼が確定する前(最終的にご依頼頂かない場合でも結構です)にお早めに日程のご相談を頂けますと、その分より柔軟に日程の調整が可能です。

皆様のご連絡をお待ちしております。


来年度も「データ分析活用」オンライン定番セミナーやります!

オンラインで受講できる、私の「データ分析活用」標準プログラムです。

すでに10年近く実施し、好評頂いている定番で、2024年度はこの5月と12月の2回のみの開催となりますので、是非この機会を逃さないようご検討よろしくお願い致します。

https://event.shoeisha.jp/bza/5step-online/


「正しいデータを使う」はこんなにも難しい

「XX業界での人手不足が問題となっている」

 例えばこの問題をデータで表現・把握する場合、どのようなデータを使えば良いでしょうか。

 とあるワークショップで出てきたのが、XX業界での就業者数の推移を示す(折れ線)グラフでした。

大幅な右肩下がりのグラフが、事の深刻さを物語っている・・・・・と言いたかったのだと思いますが、私はここで”待った“をかけました。

 

なぜなら、ここで定義した問題は「不足」であって「減少」ではありません。

グラフと問題が一致していないのです。

 

不足」を示すのであれば、必要な人手(需要)に対して、現在の人手(供給)が足りていないことを示さなくてはなりません。

分析者の中で「減少しているのだから不足が起きているに違いない」と想定してしまうことで、データの客観性と論理性がつぶされてしまっています。

 

”何が言いたいのか“

つまり、「問題を具体的に明確にし、適切なデータを選び取る」のは、分析手法や統計以前に最も大事な出発点と言えます。これが合っていなければ何をやっても無駄だからです。 

 

このような演習やワークショップを実施する機会が民間、自治体などで大変増えました。

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