実務データ分析虎の巻Vol.55(標準偏差の使い道)



 



小難しい統計指標を仕事や組織でどう活用できるのか?



 



統計やデータ分析を学んだことがある方であれば、一度は抱く悩みです。



例えば、「標準偏差」。これを理解したところで、いつどう活用したら良いか、パッと一例が浮かびますか?多分、浮かばない人が圧倒的でしょう。



 



その適用ケースをいくつも思い浮かべる訓練を横浜国大の学生向けには授業で訓練しています。例えば、



 



A市とB市の同条件(駅からの距離、間取り、築年数など)の複数の賃料をネットからダウンロードして比較・評価させます。



 



単純に A市:平均15万円   B市:平均8万円 だとします。



これだけだと「A市は家賃が高い」という結論を出して終わりです。



 



ここで仮に A市:標準偏差8万円、 B市:標準偏差2万円 という情報が加わるとどうでしょう。



 



「A市は平均が高いが、B市よりも家賃の選択の幅が広い」



 



ということが言えます。選択肢が広い故に、B市より安い物件に当たる可能性があることも見えてきます。



 



ポイントは、このケースで「標準偏差(バラつき)」はどのように解釈、表現できるかな?と、考えてみることにあります。



 



是非お試しあれ。



研修でお伝えしている”データ分析の流れ”がこちら



 



私の全てのプログラムは、「データやデータ分析を実務で活用する」ことをゴールとして置いています。



その達成のために必要なことは決して、統計学の理論や分析の手法(操作法)、計算方法を知ったり覚えたりすることではありません。



敢えて一例を挙げれば、



大事なのは「標準偏差は何を示すのか」や「標準偏差はどう計算するのか」ではなく「標準偏差は仕事にどう使い、どういうメリットを出せるのか」であるはず



ということが言えます。



にも拘わらず、標準偏差の計算方法や「標準偏差によってデータのバラつきが示せる」といったことを知ったり覚えたりして終わり、というケースが後を絶ちません。これではいつまで経っても「データで仕事の成果を上げる」ことにはつながりません。



 



かなりラフに表現してはいますが、以下のステップを紹介し、そこで必要となる思考法や視点、考え方、そして最低限の手法をお伝えするのが私のプログラムの流れです。(禁無断転用)





 



 



 



 



 



 



 



 



 



ご興味が課題がある方、是非ご相談ください。



既に多くのクライアント企業で実践されています。



bnr_toranomaki



 



 



 



セミナーや研修の中で、数値(データ)の大きさを平均などで出すだけでなく、



そのバラつきにも注意を払いましょう、と言っています。



 



データのバラつきを示す指標が“標準偏差”です。



公式など知らなくても簡単にExcelの関数で出せます。



ところが、Excel2010以降、似たような2つの関数が装備されました。



こちらです:



 



(1)STDEV



(2)STDEV.P



 



この違いを簡単に言うと、



(1)はデータがサンプルであると想定したとき、



(2)は使うデータが全てのデータであると想定したときに使います。



 



日本人全員の身長データを使うことは難しいので、街で100人分のデータをサンプルとして使って、日本全体の標準偏差の推定値を出そうとする場合には(1)を使います。



 



でも実際に算出される標準偏差の値は、実はほとんど変わりません。



極めて厳密に統計を極めたい人は違いを意識するでしょうが、一般実務で使うときにその値の差は誤差以下と言えるでしょう。



 



ですので、私はいつもSTDEVだけをセミナーの中で紹介しています。


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