分析手法の前に絶対必要なこととは

徳島県立富岡西高校(SSH指定校)の「データに基づいた研究」授業をSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の中で実施しています。
このプログラムの中では、それぞれの生徒が、自分のプロジェクト(地域に関連する提案や問題解決)をデータに基づいて行いながら、3年間を通じてそのスキルを身に着けていくものです。

こちらが1年生向けの内容の一部です。




そもそもデータとは何のためになぜ必要なのか、を理解してもらうことが大事だと考えています。

自分で持っている情報や知識は極めて限定的なため”主観“でしかありません。
その主観に合う都合の良いデータを集めれば良いということではありません。
自分の知らないことをデータで示し、客観性を高めることが目的です。

これが身に付いていないと、そこら辺にあるデータを集めては「こんなことがデータからわかりました」ということにすぐになってしまいます(そして社会人でもそれが起こっています)。

 この時期に、「データからの情報の読み出し方」のテクニック(だけ)を伝えるのは、本当に危険だと考えています。

(この売上データから何が読み取れるかな)といった問いかけやテクニックの訓練をしてしまうと、「データ分析とは、既存データからうまく情報を引き出すこと」だと勘違いしてしまいます(そのテクニックはある部分で必要ですが、データ活用全体からみれば、ごく一部、しかも機械でできる部分です)。
この勘違いが起こらない/染みつかない前に、本質的なデータ活用について身に着けてほしいと思っています。

 私のs企業や自治体での社会人向け研修プログラムでも最も大切にしているポイントです。


AI時代には「分析手法を知っていること」は強みにならない

これまではExcelによる基本的なデータ分析作業がベースとなっていました。
誰でも簡単に覚えて使える方法だけでも、幅広く効果的な分析ができるので、これらをまずは知識として習得することには一定の価値があります。

一方で、AI(例えばChat-GPT)を使うことで、これらの「使い方」すら必要なくなってくるかもしれません。

以下の図は、Chat-GPT(無料版)に、回帰分析をお願いしたときのインプット(リクエスト)とそのアウトプットです。



Excelの元のデータ(黄色の部分)をコピーして、スクリプトにそのまま貼り付けます。
すると次の瞬間には、Excelのセルの枠を外して生データに変換してくれます。

そのあと、「これで回帰分析して結果のグラフ表示もしてくれ」とお願いするだけです。

Excelを使って、自分の手を動かして数ステップだけでもできますが、全く同じアウトプットを「それらのステップ(やり方)を知らなくても」AIで得ることができるようになりました。

もちろん「何も知識がない」とAIへのリクエストすらできないのではありますが、「何を知っているべきか」についてはこれまでと発想を変える必要はあるかもしれませんね。


【本日、独立11周年となります】

自分の人生の中の出来事として本当に感慨深い瞬間です。

単なる”講師“の枠を遥かに超えて、「やりたい」と思っていたこと以上のことが全てできました。

多くの方から頂いたご縁と家族からのサポートに感謝の気持ちで一杯です。

独立の際に掲げたポリシーは、今でも強いこだわりを持って守っています:

1) 家族との時間を大切にする

2) 自分の能力を最大限発揮し、広く世の中や多くの方に貢献する

3) 自分にも他人にも嘘をつかない

4)他者を評価しない

これからも感謝の気持ちと集中力でお役に立てればと思います。
よろしくお願い致します。


ストーリーを作るための鉄則とは何か

徳島県の県立高校で、高校生向けの授業を行っています。

論理的に自分のプロジェクトや提案を作ることに取り組んでいます。
しかし、やはりデータをどこで使うのか、論理をどう組み立てるのかといった基礎は先生も含めて習ったことがなく、生徒が自己流でやると全然うまく行きません。

 個々のケースに向けた細かいテクニックやアドバイスはあるのですが、一般論としてまずは身に付けてほしいポイント(鉄則)を2つだけまとめたものがこちらです。



データとは「客観的事実」を示すために、説得力の高いとても便利なツールとなります。

それが、具体的な問題特定(現状把握)や要因特定の場面で活かされます。
ただ、本人が自分の思い付きと事実とを区別出来ていることが大前提です。
高校生の場合、ここがぐちゃぐちゃであるケースが少なくありません。

その意味でまだまだ先は長いと言えますが、これらができるようになれば、これから社会で本当に必要な力が付きます。

 このような内容を学ぶ機会が日本でも増えることを期待したいですね。

社会人の方も同様にこれらの点は重要です。できていますでしょうか?


新潟県燕市役所との長いお付き合い

先日、新潟県燕市役所による「燕市PRサポーターの集い@都内」に参加してきました。

燕市とは独立直後の2014年から11年目を迎えております。

毎年、約半年をかけて「データ活用プロジェクト」を進め、その時のメイン課題(テーマ)を決め、隣町である弥彦村からも参加者を迎え、チームでデータによる現状把握、要因特定から提案作成までを行っています。(11月には市長発表も行い、教育長など多くの方にご参加頂いています)

やはり「研修だけ」と比べると圧倒的なアウトプット力が備わります。また、毎年参加者は異なるとしても、11年も同じ組織の中でのスキル育成を行っていくと、普段の業務の進め方から大きな変化があるそうです。

そのような燕市の市長(鈴木市長)ですが、今年の10月で引退されるとのことです。独立当時からずっとお世話になっており、大変感謝しております。

これからも全国の市町村の「データ活用」「問題解決力」の実践的なサポートをさせて頂きたいと思います。

以下の写真は、左が2014年10月のもの、右が先日のものになります。11年の時間が経過しました。


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