韓国語版『問題解決ができる! 武器としてのデータ活用術』増刷決定!

日本国内でも好評頂いている『問題解決ができる! 武器としてのデータ活用術』の韓国語版、現地韓国マーケットでの販売好調により増刷、5年間の契約延長となりました。

海外翻訳版としての増刷は珍しいので、とても嬉しいですね。

データを目的に沿って使い、結論と成果に結びつける思考法が、単なるデータサイエンスやデータ分析手法、統計学だけでは突破できない壁を突き破る決め手になることをこの本で紹介しています。

その考え方やアプローチが国境を越えて普遍的(ユニバーサル)であることの証明の一つだと考えています。
これからも多くの方にお役に立ちますように。

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データ活用はなぜ必須スキルなのか

こちらも最近の講演や研修で必ずお伝えしている内容です。

データ分析や活用とは、知的作業としては「めんどくさい」し「大変」なのです。では、なぜ必要になるのか、の答えがこちらです。



このような心理的、時間的コストを掛けるのは大変だと多くの人が考えます。
そのコストに見合ったリターンが得られる保証もない中で、「そんな面倒なことは、心にも時間にも余裕がある人が、”やると何か良い事があるかもしれない”のでやればよい
と思ってしまうのもうなずけます。

ところが、です。

私が多くの現場に触れて感じるのは、データ活用をやってことによるプラス要素もありますが、それ以上に「やらなかったことによるマイナス要素」のほうが遥かに大きいことです。

間違ったことをやっているのに、(データで)確かめたことがないから、それをそのまま継続する。
最適ではない活動を、(データで)確かめたことがないから、そのまま継続する。

こういう事態が続出します。皆さんの業務では本当に大丈夫なのでしょうか。

この状態に気づき、解消するためにも「めんどくさい」を遥かに凌駕するメリットが得られるデータ活用に取り組む意義は大いにあるのだと思います。


データ活用の本質

最近の講演や研修などの最初にこのスライドを使うことが多くなりました。

職場に大量にあるデータからどうやったら意味のある情報を引き出せるか」という、”このデータをどう使う?”の発想から入るとほぼ間違いなく「データ活用」ができないからです。

データから入るのではなく、「何をしたいのか」とい”ゴール”から入り、そのゴールに適したデータやデータの見方が必要になります。

この「考え方」が無いと、単なるデータに書いてあることの一部を読み出して、「これで何言うんだっけ?」という”よくある”落とし穴に落ちてしまいます。

ご提供しているプログラムでは、これらの考え方から大きく脱却して、問題解決や目的達成のための「データ活用」の方法を習得して頂いています。



分析手法の前に絶対必要なこととは

徳島県立富岡西高校(SSH指定校)の「データに基づいた研究」授業をSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の中で実施しています。
このプログラムの中では、それぞれの生徒が、自分のプロジェクト(地域に関連する提案や問題解決)をデータに基づいて行いながら、3年間を通じてそのスキルを身に着けていくものです。

こちらが1年生向けの内容の一部です。




そもそもデータとは何のためになぜ必要なのか、を理解してもらうことが大事だと考えています。

自分で持っている情報や知識は極めて限定的なため”主観“でしかありません。
その主観に合う都合の良いデータを集めれば良いということではありません。
自分の知らないことをデータで示し、客観性を高めることが目的です。

これが身に付いていないと、そこら辺にあるデータを集めては「こんなことがデータからわかりました」ということにすぐになってしまいます(そして社会人でもそれが起こっています)。

 この時期に、「データからの情報の読み出し方」のテクニック(だけ)を伝えるのは、本当に危険だと考えています。

(この売上データから何が読み取れるかな)といった問いかけやテクニックの訓練をしてしまうと、「データ分析とは、既存データからうまく情報を引き出すこと」だと勘違いしてしまいます(そのテクニックはある部分で必要ですが、データ活用全体からみれば、ごく一部、しかも機械でできる部分です)。
この勘違いが起こらない/染みつかない前に、本質的なデータ活用について身に着けてほしいと思っています。

 私のs企業や自治体での社会人向け研修プログラムでも最も大切にしているポイントです。


AI時代には「分析手法を知っていること」は強みにならない

これまではExcelによる基本的なデータ分析作業がベースとなっていました。
誰でも簡単に覚えて使える方法だけでも、幅広く効果的な分析ができるので、これらをまずは知識として習得することには一定の価値があります。

一方で、AI(例えばChat-GPT)を使うことで、これらの「使い方」すら必要なくなってくるかもしれません。

以下の図は、Chat-GPT(無料版)に、回帰分析をお願いしたときのインプット(リクエスト)とそのアウトプットです。



Excelの元のデータ(黄色の部分)をコピーして、スクリプトにそのまま貼り付けます。
すると次の瞬間には、Excelのセルの枠を外して生データに変換してくれます。

そのあと、「これで回帰分析して結果のグラフ表示もしてくれ」とお願いするだけです。

Excelを使って、自分の手を動かして数ステップだけでもできますが、全く同じアウトプットを「それらのステップ(やり方)を知らなくても」AIで得ることができるようになりました。

もちろん「何も知識がない」とAIへのリクエストすらできないのではありますが、「何を知っているべきか」についてはこれまでと発想を変える必要はあるかもしれませんね。

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