分析手法の前に絶対必要なこととは

徳島県立富岡西高校(SSH指定校)の「データに基づいた研究」授業をSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の中で実施しています。
このプログラムの中では、それぞれの生徒が、自分のプロジェクト(地域に関連する提案や問題解決)をデータに基づいて行いながら、3年間を通じてそのスキルを身に着けていくものです。

こちらが1年生向けの内容の一部です。




そもそもデータとは何のためになぜ必要なのか、を理解してもらうことが大事だと考えています。

自分で持っている情報や知識は極めて限定的なため”主観“でしかありません。
その主観に合う都合の良いデータを集めれば良いということではありません。
自分の知らないことをデータで示し、客観性を高めることが目的です。

これが身に付いていないと、そこら辺にあるデータを集めては「こんなことがデータからわかりました」ということにすぐになってしまいます(そして社会人でもそれが起こっています)。

 この時期に、「データからの情報の読み出し方」のテクニック(だけ)を伝えるのは、本当に危険だと考えています。

(この売上データから何が読み取れるかな)といった問いかけやテクニックの訓練をしてしまうと、「データ分析とは、既存データからうまく情報を引き出すこと」だと勘違いしてしまいます(そのテクニックはある部分で必要ですが、データ活用全体からみれば、ごく一部、しかも機械でできる部分です)。
この勘違いが起こらない/染みつかない前に、本質的なデータ活用について身に着けてほしいと思っています。

 私のs企業や自治体での社会人向け研修プログラムでも最も大切にしているポイントです。


「データ分析する」って何をすることか言えますか?

スーパーサイエンスハイスクールに指定されている徳島県立富岡西高校にて、「データ活用」の授業を行ってきました。

それまで全くデータ分析に関することをやったことがない(=先生方も教えたことが無い)というゼロベースで、「自らテーマを立てて、データを活用した研究を行う」プロジェクトを進めています。

 グラフを自ら作ったことがない高校生に対して、「データ分析する」ってどういうことか、ここから問いかけてみました。

最初に生徒に見せたものがこちらです。

 「皆さんは、この中のどこが”データ分析“に相当すると思いますか?複数ある場合にはその箱を手を付ける順番に並べてみてください」と言って10分間個人とグループで考えてもらいました。



いくつかのグループに発表してもらうと、それぞれ少しずつ違うものが出てきました。

(う~ん、やはり・・・・)

 ここからの話は長くなるので割愛しますが、ここで伝えたかったことは、「データ分析」とはA~E全てを含むこと。
そして、その適切な順番は次の通りということです。



まずは、「データを活かす」ために何をどのような順番で進めていくのか、について学んでもらいました。
今回はこれを伝えて理解してもらうだけで精一杯でしたが、今後もこの授業を続けて行きます。

 実は、この準備段階で、私なりに大きな気づきがありました。
それは自治体でのデータ利用においても共通して見られることでした(逆に、民間企業で遭遇することは少ないのです)。

「テーマ」と「問題・目的」の違い、がそれです。


高校生向け「探求学習」の指導も行っています

徳島県立富岡西高校(SSH:スーパーサイエンスハイスクール指定校)で、「データを使った地域研究」を過去数年指導しています。

今年から1年生に向けた導入部分において「探求学習」を前面に出して教えるようになっています。

探求学習とは、

「生徒自ら課題を見つけ、情報を収集・整理・分析しながら、問題の解決に取り組み、意見をまとめ・表現することを繰り返していく学習活動」

と定義されています。

自らお題を見つけ、正解の無い中で自分なりの結論を導き出す活動です。

一般的に「探求学習」となると、”思いついたこと”を言いたい放題で、アイデアが奇抜であるほど良い、といった流れになりがちです。
でもこれだと、「アイデアコンテスト」のようになってしまい、社会で求められる「合理性」や「論理性」がすっぽりと抜けてしまいます。

かねてから、探求学習の要素をベースに持ちながら、「データを活用して、地域課題に対して研究、提案をする」活動をずっとサポートしてきました。

今はそれを更に発展させて、「探求学習」と「データ活用」を両方とも満たした成果を2年生までに出せるような取り組みを進めています。

このような実践的な取り組みを模索されている学校や先生など、ご相談下さい。



「データで問題解決」をする大事なプロセス

純粋な企業研修に加え、実際の問題やデータを扱ったプロジェクト(実践)型のサポートが一気に増えました。

その中で、特に「データを使って問題を解決する」ときに“うまくいっていない”ケースの大半が、適切なプロセスを踏んでいないことが明確になってきました。

 こちらは、某IT企業で部長向けに行った『データで社内変革』の取り組みをした際に使ったものです。

一般論としても、いきなり方策や要因に飛んでしまっている「プロセスを守らない」ケースだけでなく、より致命的なのは、図中BやCの「問題定義」と「指標(データ)」選びが不適切なケースが少なくありません。

 「まず目の前のデータから何が言えるか」から出発してしまい、そこから見えたことから”方策“に飛ぶ。

これでは問題解決までの道のりは長いでしょう。

今年度もこのような実践的なサポートをどんどん行っていきたいと思います。


スーパーサイエンスハイスクールでデータ活用リテラシーワークショップ実施

 「我が町の人口減少問題」について、高校生たちに”どうデータで立ち向かうか”を考えてもらいました。

 具体的には、

我が町の人口減少の状況はデータを使ってどう評価できるのか

について、減少はしているものの、その程度や重大さはどうなのか、

そして自分で言いたい結論を示すためには

(1)どんな指標(データ)を使って

(2)何と比較することで

筋の通ったストーリーを組み立てられるのか、などについて考えて発表してもらいました。

同規模の他市、県平均、国平均など色々な比較対象があり、それぞれに結論(言えること)も変わってきます。

それを「データ有りき」ではなく、自分なりに考えられるようになることが、本質的なデータ活用能力だと私は考えています。

同様に「ある部活の活動時間の実態についてデータで評価するには?」についても考えてもらいました。

「活動時間が長いこと」を言いたいにも関わらず、そのときに「帰宅時間のデータを使う」といった発想が出てしまうのが高校生らしいところですが、社会人でも気を付けるべき点ですね。

”帰宅時間が遅い = 活動時間が長い“の関係が常に成立するとは限らないためです。この場合には、直接”活動時間“をデータとして使うべきなのです。

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