西日本高速道路サービス・ホールディングス(株)

取締役平山博登様(当時)との対談(2014.6.12)
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西日本高速道路サービス・ホールディングス様の中堅社員向けに「明日から実務で使えるデータ分析研修」を行いました。研修後の平山取締役(当時)との対談の中で、経営の向かう方向、そこでの実務や人材育成の課題についてお伺いしました。

また、その課題対応の一つとしての研修への期待値や背景をお伺いしました。以下では、その中からエッセンスを抜粋したものをご紹介します
 


「西日本高速道路サービス・ホールディングス」はどのような会社なのですか?

平山取締役(以下敬称略) 西日本高速道路サービス・ホールディングスは、西日本地域のSA・PAを管理・運営する会社です。民営化されて約9年が経ち、多くの方々に、「高速道路のSA・PAはちょっと変わって来たな」と思って頂いているのではないでしょうか。

西日本のSA・PAは、土地が広くなく、大規模なことはできないこともあり、PAにハイウェイコンビニを導入しました。飲食が可能なコンビニで、さらにそこで必要なお土産物を売ってもらうというものです。今まで午後8時位に閉まったPAを24時間営業とし、ATMを設置しました。それが西日本には約四十箇所あります。
我々は、まず接客が良くなれば商品が売れると考え、売上をあげるために店舗をどのように作ったらいいのかとテナント様とも意見交換しながら進めています。

柏木 では、研修に御参加頂いた御社の店舗支援課の方というのは、まさに会社のコア業務を推進する方、そのものということですね。

ビジネス拡大の切り札として数字(データ)をどう活かしていくのか

img_voice01-02平山 今迄のデータの取扱いについては、システムで売上高が見れればいいという状況でした。しかし、それではお客様のニーズをタイムリーに把握できない。そのために、テナント様と我々がお互い数字を見れるTOMS(トムス)というシステムの導入を始めたのです。旧来のシステムでは一週間後にデータが出てくるものを、遅くても翌日には数字を見られるようなシステム作りから始まりました。必要と考える両輪のうちの片輪のハードはそれで動き始めました。

ただ出て来た数字をどう料理するかという、もう片輪も大切です。数字を扱えて、テナント様と同じベースで話ができる。お客様の満足が得られれば、売上に繋がるという構造になっていますので、そのためには数字を分析しなければいけないと。お互い同じ土俵で数字を見て、テナント様と一緒に前に向かっていこうと捉え始めたのです。独断でやってもお互いモヤモヤが残ります。テナント様としてはいろんな販促アイデアを考えながらやってこうとしている訳ですね。ただそれは外れることもある。お互いがそれを両方で見ながら、話しながら、納得して目指す方向を一つにすることが重要です。

ハードに対するもう片輪として、我々は社員をそういう風に育てなければいけない。我々が分析をして、テナント様と一緒の言葉を、一緒の理解をして、一緒の方向を向かないと、なかなか難しい。そのためには数字で語れる店舗支援というのをやっていかなければいけない中で、研修が良いかと話をした時に、統計学に関する本を何冊か購入し、その中で最も分かり易い内容の本が柏木さんの書かれた『「それ、根拠はあるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本」』でした。それがきっかけで、柏木さんに研修をお願いした次第です。

データ分析研修を業務の価値向上に活かす発想とは

平山 若い人達は一つの基本スキルがあるから、そこの背中を押す研修をしていけばよい。それと上の人達は、数字を議論するのを頭ごなしにしないような研修をしようと。中間管理者は、中間管理者で研修しなければいけない。各人の発想は、人が何人もいればいろいろ出てくる訳ですから、基本ベースのスキルを与えておけば、この数字はこういう見方もできるっていうのが出て来る。それが一番で、それがいい回転をしていくのが一番望ましいなと思っている次第なのです。

柏木 よくわかります。

平山 私も日本道路公団にいた時に、高速道路を建設して本当に地域の人口が増えるのかどうかということを開通年度と過去の人口の増減を調べたのです。こういうデータは重要だ、それが良い、悪いではなく、そういう見方をしようということを学びました。そういった経験があったので、我々皆そういう見方ができる勉強をしよう、と考えました。

柏木 仰っるように、若い人達にExcelを使える人は多いと思いますけど、より本質を見るためには、その使い方だけではなくて、数字の見方とか、裏にある要因を考えるプロセスも凄く大事ですね。

平山 そうです。Excelもツールな訳ですから、その考え方、見方というのを丁寧に書いて頂いたのが、この柏木さんの本だと思っています。3冊見た中で凄くいいなと思ったのは、まさしくその点です。これをネタに研修をと思ったら、著者の方が自ら来て頂いて大変ありがたかったです。

柏木 私の勤務する職場も同じです。今迄はこういうやり方をしていたけれど、数字で見たらこっちの方が良かったということがわかった。じゃ今迄ここで垂れ流していたお金はどうなるんだ、無駄だったというのが実はいっぱいあるんですね。今お話聞いていて、もし御社で使っている典型的なデータを先に頂いていれば、それをベースに皆が普段見ているこの数字を使って演習を行うことができ、効果はさらに何倍にもなるかも知れないと。

平山 SA・PAのコーナー別売上とその経年データがあって、それを見た時にどうかという風に、してやるとかですね。
そして分析にあたって、仮説が立てられないというのも多いですね。

柏木 数字見ていても、仮説が無いと何もでてこない、浮かんでこないのです。仮説アプローチは重要です。

平山 そうですね。Excelができればいいという話ではないのです。要は数字って意味を持って見たら多くのことが出て来るということを皆に体験させたいのです。こういうことを店でやって、数字で結果に現れたということになると、我々の社員のやりがいにもなりますから。そういったことをやっていきたい。テナント様との信頼関係に関して、我々が好き勝手なことを言って失敗し、知らぬ振りをしたら、もう信頼関係が無くなります。一緒の方向を向いている、同じ船に乗っている訳ですから、親身になってしっかりやって行かないと、売上は伸びていきません。

img_voice01-03柏木 そうですね。店舗の方というのは理系のデータ分析者ではないでしょうから、そこでコミュニケーションを取るというのは非常に大事で、その時に小難しいデータ分析の結果をいくら綺麗なものを見せても、スーっと引かれちゃいますよね。ですからベーシックなところで、だれが見てもわかる位のレベルでやらないと、いくらいい分析をしても理解してもらえませんね。

平山 だから数字をもってどう語れるか、理解して頂けるか、ということが重要です。

柏木 仰るとおりだと思います。何がネックですか。技術的なものなのか、人の心理的なものなのか、制度的なものなのか、いろいろあると思うのですけれど。

平山 多分、中堅層以下で、「先輩がこう言っている」ということに盲目的に従うことよりも、「先輩、数字こうですよ」と言える環境が必要と思っています。そのためには時間がかかりますが、その仕掛けをちゃんと作っておいて、やれるようにしないといけないなという思いはあります。

柏木 若い人も自分で考えたことを提案できて、それが実現できるようになっていくと、自信にもなるし、仕事をしていても面白いなと思えるようになりますね。

平山 そうです。仕事が面白くなると、もっと違う切り口が無いかって、どんどん自分で考えるようになります。やはりそこまで持っていきたいですね。

柏木 どういうことを今後やって行こうとしているかがよくわかりました。

平山 店舗支援課という形になって未だ1年です。それまでは、管理・運営主体でした。勿論、高速道路上ですから、安心・安全が重要ですので、GSのガス欠だとか、給油のキャップを閉め忘れたとか、食中毒が、起こってはいけません。ですから安心・安全の部分は今後も引き続き徹底してやらないといけない。どちらかというと管理運営の方が主な業務だったんですね。データを使って分析してっていう考えがあまりなかったというところが正直なところで、新しいシステムを入れて、初めてデータに触れて、それを使っていろいろ活動していこうとしています。

柏木 その意味では、可能性、ポテンシャルは、いっぱいありますね。

平山 まだまだ掘るところはいっぱいあります。

今後の事業ポテンシャルとデータの活躍

柏木 西日本のSA・PAは先進的、先駆的なのですか。

平山 東日本や中日本と比べれば西日本としてはまだ寂しい感があります。
ただ、民営化して変わったのは、SA・PAはもともと自動車専用道で道路区域でしたから、人がみだりに立ち入ってはいけない区域でした。それが、民営化して、道路区域を外れましたので、周りの住家の方々が、SA・PAに食べに来ていただけるようになりました。例えば、広島県の小谷サービスエリアでは、パン屋さんが入っています。サービスエリア裏から入れるウェルカムゲートというものを作り始めて、お客様が高速道路外からも入れるようになりました。
地域を支える社会インフラにもなってきているという状況があるのです。

柏木 そういう意味では、発想次第で、どんどんどんどん拡大する可能性があるということですね。

平山 あります。

柏木 では益々知恵を絞って、どうやって利益を出すのかっていうのは、数字にもこれからももっと活躍の場はありそうですね。

平山 ええ。今でも今後の展開についていろいろな議論はしています。例えば中山間地であれば、近隣の住民へのデリバリーとか考えられると思います。それは逆に言えば地域を支えることになるということです。
こういった新たな取り組みにも、ますますデータに基づいた発想が必要になると感じています。

柏木 お時間も来ました。貴重なお時間、どうもありがとうございました。

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