『日経情報ストラテジー7月号』の連載です。
「マネージャのためのデータリテラシー講座」第10回の今回は、「入口に潜む罠」がテーマ。
”最初にデータの定義をしっかりしておかないと、結果に影響しますよ”というお話を書きました。
このマネージャ向けの内容は、今年中に書籍化、セミナー化しますのでお楽しみに!
本誌今号の特集は、多くの人が興味を持っているKPIについてです。
ご興味ある方は是非ご覧下さい。
2/29発売の「日経情報ストラテジー4月号」。
連載「マネージャのためのデータリテラシー講座」第7回の今回は、
データ数(サンプル数)の違いは気にしていますか?
というテーマ。
分析手法うんぬんではなく、あつかうデータの数によって、同ことをやってもこれだけ結果に差が出ますよ、
という”分析過程ではなく結果だけを見せられる”マネージャに向けた注意点を書きました。
これに加えて、今回のコラムでは「データ思考のチーム作りに必要なこと」として、”時間”を重要項目として挙げました。
忙殺されているチームは、データの深掘りなんてできない、といった泥臭い、でも本質的な話です。
今号は随所に私が登場しております。是非ご覧下さい。
「おい!最近お前が担当している製品の業績が悪いぞ。
原因を調べて早く手を打て!」と言われて、
「はい、分かりました!」
と早速手を動かしてしまうのは危険です。なぜだか分かりますか?
「明確、具体的な言葉の定義」、「データで定量的に」、
「比較対象を明確に」、「事実(現象)とそれ以外とを切り分ける」
に続き、「適切な課題設定」に必要なポイントの5つ目は
「課題のキードライバー(主指標)は何?」です。
「言葉の定義を明確に」にもつながりますが、「自分が関わっている仕事
の重要指標は何か」を意識していない(当たり前と思い込んでいるも含む)
人は少なくありません。最終ゴールはどんな指標で表されるのか、
を明確にしておかないと、データを使った現状把握も要因特定にも
繋がりません。または、独りよがりの分析になってしまいます。
ここを曖昧なまま“作業”に突入しないように、確認しましょう。
例えば、売上に直接つながる”購買率“を本質的なゴール指標として扱うべき
ところを、“集客数”が最終ゴールだと思ってその問題点を分析してしまえば、
話が噛み合わなくなります。分析自体も無駄ですね。
この指標を使って「今どんな課題がどの程度起こっているのか」、
「この指標に影響している要因は何か」を定量化するのがデータ分析です。
仕事の成果はどんな数字で評価できるのか。一番最初に必要な本質的な問いです。
「集客をもっと高めるためにネットの動画広告の頻度を上げないと」
という課題を聞いて、気になることはありませんか?
「明確、具体的な言葉の定義」、「データで定量的に」、
「比較対象を明確に」に続き、「適切な課題設定」に必要なポイントの
4つ目は「事実(現象)とそれ以外とを切り分ける」です。
課題の場所や要因特定の前、“課題定義”の段階で気を付けるべきは
「客観的な事実」「(根本)要因」「方策」「意見」の区別です。
先の「ネットの動画広告の頻度を上げる」は「方策」です。本当に
それが集客という課題の主要因かは分析するまで分かりません。
主観や思いつきで、進むべき先を狭めてしまっているのです。
特に新人の報告にはこれらがごちゃまぜになっていることが多く、
「方策ありき」や「狭い視野での要因」から、課題解決をスタート
してしまうことで、本質的な解にたどり着けないことが起こり得ます。
『「客観的に分かっていること」とそうでないものを分ける』
ここから始めると最初に間違った一歩を踏み出す間違いを防げます。