課題定義が全てを決する



 





 



 



新潟県燕市役所職員を対象としたデータを活用したプロジェクトを毎年サポートさせて頂いています。



若手職員による実在のデータやテーマを扱うプロジェクトで、初年度は「観光振興」をテーマに課題を掘り下げ、提言を作りました。



そして、その翌年のテーマは



 



「地場産業を活性化するには」でした。



   



 ではみなさんがこのテーマを与えられて最初に考える/行うことは何でしょうか?



 



プロジェクトでは、課題がぐらつかないよう、無駄なデータ分析に走らないよう、まずはチームで課題をしっかり定義しました。具体的には次の2つです。



 



 ・地場産業とはどんな定義・指標で範囲を決めるのか



 ・“活性化している”とはどんな状態で、測る指標は何か



 



これらを決めないでデータを集めたり、分析に入ったりするとどうなるでしょう。



 



人によって定義や評価基準が異なるため、集めるデータも分析結果や結論までバラバラになってしまいます。それをやり直したり統一することのコストは甚大です。



 



地場産業を定義する指標として「売上額」「従業員数」「歴史」「知名度」など、活性化の指標として「売上額の増減」「新規商品数」「認知度」などが挙がりましたが、チームとしてよりユニークな指標も検討しました。



 



この定義に沿って、必要なデータや分析方法を決め、実際のデータの入手可否などとの塩梅を見ながら現実解を探り、具体的な方策や提言につなげたのです。



 



最初の”入り口“が全ての効率や成果を大きく左右することをメンバー全員で改めて確認しました。



 



曖昧な課題定義によるインプット(データや指標)で検討や分析を始めてしまい、結局期待する答えが得られなかったという経験はありませんか?



それは、分析の問題ではなく、(入り口の)課題定義の問題である可能性がありますよ。



「相関」があっても「因果関係」があるとは限らない



 



分析結果は出せても、その解釈次第で間違った結論を導いてしまうことがあります。



身近なものには「相関」と「因果関係」の問題があります。



「相関」は2つのデータの動き(増減)が同時に起こることを指します。でも、どちらが原因でどちらが結果として増減が起こるのか、までは分かりません。そのため、相関分析の結果を見て、因果関係を結論とするときには人の解釈が入ってしまうのです。せっかく客観的なデータというものを使ったにもかかわらず、最後の最後で人の解釈(つまり主観や思い込み)が入ってしまいがちです。



 



現在、新潟県燕市役所で行っている「健康増進をデータ分析で」プロジェクトで扱ったデータの一部です。



例えば、55歳以上を見てみましょう。縦軸は何かしらの運動をしている人の割合です。



すると、運動をしている方が体調が良い(横軸)という傾向が見られます。



でもこの結果をどう解釈すると良いのでしょうか。



普通に考えると「やはり運動は健康に良い」となるでしょうか。この場合、「運動」が原因で「健康」が結果ですね。



 



ちょっと考えてみてください。その逆は成り立ちませんでしょうか?



 



55歳以上となると、体が健康でないと「運動でもしようか」という状況や気分にならないと想定したらどうでしょう?



つまり、「体調が良い」が(原因)で、「運動をする」は(結果)ということになります。



それでも同じ結果になるはずです。でもこのデータ(結果)からはそのどちらなのかはわからないのです。(他の調査が必要です)



 



このように、同じデータ分析結果でも、それをどのように解釈するかは、人の問題が入り込む厄介なものです。



その問題を知っていると、そこに注意が払われます。くれぐれも自信満々に間違った結論をデータと供に提示しないように。



 



データ分析を活用した、新潟県燕市でのデータ活用プロジェクト事例をBizZineにて連載中です。



本日、その第3回目が掲載されました。



 



タイトルばキャッチ―なのですが、RESAS(地域経済分析システム)と呼ばれる



行政のオープンデータツールを用いた活用事例について、



どのように考え、



どのようにデータの威力を引き出したのか



を分かり易く紹介しています。



 



ビッグデータ、オープンデータなどなど、色々世の中で言われてはおりますが、



これらを活用するのに必要なのはツールでもアプリケーションでもシステムでもありません。



あくまで使う人の「課題解決スキル」や「論理思考」「仮説思考」など、



視野の広さと論理的な思考力によってその成果が大きく左右されます。



 



どのような要素が「データから情報を豊富に引き出す」結果につながるのか。



 



そのヒントになればと思って書きました。是非ご覧ください。



 



Bizzinehttp://bizzine.jp/article/detail/1944



翔泳社BizZineにて新たなオンライン連載を始めました。



新潟県燕市で現在進行中のプロジェクトを実況中継する連載です。



http://bizzine.jp/article/detail/1849



昨年度に引き続き、今年のテーマは「地場産業の活性化」。
RESASという地域経済分析システムをどこまで活用してできるかを敢えて今回のチャレンジの一つとして設定しました。



RESASは内閣府が地方振興に対してデータで取り組むように導入を後押ししているシステムで、全国のオープンデータが分かり易く手に入ります。



連載第1回の今回は、とりあえずここまで使ってみた感想と、RESASの紹介をしています。実際のデータ分析、課題解決の内容は第2回以降順にお伝えする予定です。



 



このプロジェクトでの私のゴールは次の3つです:



 



・課題の結論をまとめること



・プロジェクトを通して参加者のスキルアップを図ること



・RESASという新たなツールを導入して成果につなげること



 



RESAS



これらを事前に自らコミットして進めています。



とても緊張感がありますが、楽しいですね。
是非ご覧ください。



新潟県燕市役所職員を対象としたデータを活用したプロジェクトが今年度もスタートしました。若手職員による実在のデータやテーマを扱うプロジェクトで、昨年度は「観光振興」をテーマに課題を掘り下げ、提言を作りました。



 



今年のテーマは「地場産業を活性化するのは」です。



 



みなさんがこのテーマを与えられて最初に考える/行うことは何でしょうか?



プロジェクトでは、課題がぐらつかないよう、無駄なデータ分析に走らないよう、まずはチームで課題をしっかり定義しました。具体的には次の2つです。



 



 ・地場産業とはどんな定義・指標で範囲を決めるのか



 ・“活性化している”とはどんな状態で、測る指標は何か



 



これらを決めないでデータを集めたり、分析に入ったりするとどうなるでしょう。



人によって定義や評価基準が異なるため、集めるデータも分析結果や結論までバラバラになってしまいます。それをやり直したり統一することのコストは甚大です。



 



地場産業を定義する指標として「売上額」「従業員数」「歴史」「知名度」など、



活性化の指標として「売上額の増減」「新規商品数」「認知度」などが



上がりましたが、チームとしてよりユニークな指標も検討中です。



 



この定義に沿って、必要なデータや分析方法を決め、実際のデータの入手可否などとの塩梅を見ながら現実解を探り、具体的な方策や提言につなげます。



 



最初の”入り口“が全ての効率や成果を大きく左右することを改めて確認しました。



第1回目(2016-8-25)


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