データ分析力を本当に組織の力にするために何が必要か


いくつもの業種にまたがるクライアント様のお手伝いをする中で、うわべだけでなく、本当の意味でデータ活用力、問題解決力、分析力を組織の力に変えたいと考えている人やチームに出会う一方、そこまでの本気度や熱量に至っていないケースもあります。



 



例えば、



データ分析に関わらず一般的に「研修」によって到達したいゴールは何でしょうか?



こういう整理はされているでしょうか?
a) 効果や必要性について気づきを得る(知る)
b) テクニックや理論などを理解する
c) 理解したことを演習を通じ(現実の難しさと併せて)体験する
d) 理解したことを実践に移す(実践しようというモチベーションを持つ)
e) 実践で使い続ける
f) 実践で成果を出す



一般的に一日研修や半日セミナーなどで到達できるのは、上記c)までというのが現実的ではないでしょうか。
一方で、刺激的な研修を受講させることで、受講者がd), e), f)に自然に移行することを期待しているケースも
あります。



確かに気持ちは分かります。でも、どんなにすばらしい研修であっても、現実的にはかなり難しいでしょう。
人の気持ちは、外部からの刺激だけで、180度変わることはほぼありません。
自分の内にあるモチベーションによって、自らの行動を180度変える人はいるかもしれませんが
これは外部からの刺激とは全くの別ものです。
(むしろそういう人は、外部のセミナーの力など借りなくても、既に自ら動いているはずです)



7225a06576ce1157183dd9ea1d4e3fdf_s



理解し、知識やスキルを得ることと、個人がやる気になる(モチベーションを持つ)ことは
別な問題として切り分けて考えることが必要です。



「やり方を知ったから」



これだけでは、人の気持ちや行動は変わりません。
世の中には、「人の気持ちにスイッチを入れる」ようなセミナーや研修もあるでしょう。
でも多くの場合、それはその瞬間(せいぜい2~3日間)しか持続しません。
一時の高揚感がそうさせることはあります。でも、それは持続的な競争力には及びません。



大事なことは、



(1)知識やスキル習得  と
(2)個人や組織としてのモチベーション



とを切り分けて、それぞれの対策を考えることです。



特に(2)については、「みんなで頑張ろう」といった掛け声だけでは全く響きません。
実際には、人事制度や評価、仕事のやり方などを大きく変えないと何も起こらないことの
ほうが圧倒的に多いのです。
日々の業務をサバくことに忙殺され、それをこなしてさえいれば業務評価に◎がもらえる、という
状況下で、「君もスキルを高めて課題解決しなさい」と正論を言っても、「はい」という返事と
裏腹に、何も起こらないのが自然です。



ここまで本気で組織力を高めたい、現状を変えたいと考えているか(覚悟があるか)、
上記の(1)と(2)を切り分けて考えることで、このポイントも考えざるを得ない状況に
なるはずです。



そして、その覚悟と気の入れようが大きい組織が、ある程度の時間を掛けながらも変化
している、と実感させられます。



せっかく時間とお金をかけて行う研修です。



しっかりと組織力、具体的な成果に結びつく形に持ってきたいですよね。
私としても、自分の組織人経験、実務経験があるだけに、そこに持っていくことにこだわりがあります。



皆さんの組織やチームはいかがでしょうか?



 



関連記事

  1. 日経BP主催『目的思考のデータ活用術【第2期】』のご案内

  2. 「データ分析×ロジカルシンキング」と仮説立案セミナー!(9/28と10/1)

  3. 無料メルマガが100号を迎えます!

  4. 新刊のタイトル決定!『結局、仮説で決まる。』(日本実業出版社)

  5. データ&ストーリー4周年を迎えました

  6. 講演します!『自治体におけるEBPMの実践に本当は必要なこと』(3/2)

PAGE TOP