私も講義を担当している多摩大大学院の、豊田先生の著書
(ビジネス統計学入門:幻冬舎)のあとがきの一部を紹介したいと思います。
『・・実際、統計学を得意としていた人が、ある時からデータ分析を必要と
しなくなった例を数多く見かける。統計学をマスターしていくと、仮説構築力が
高まり、データ分析をしなくても、ビジネス仮説が思い浮かぶようになるのだ。
「データをいじらなくても知見が得られるようになるために、データを効率よく
いじる技を身に着ける」。・・・』
逆説的ですが、とてもよく奥深い本質を表していると思いました。
データ分析スキルを自分のモノにする一番の近道は、自分の仕事で使うこと、
そして場数を踏むことで、仕事における課題解決のセンスが磨かれるというのは、
私の経験からも頷けます。
そのためには、難しい分析手法を知ることをゴールにするよりも、やはり目の前の
仕事にすぐ使える方法を知るほうが大事だと思います。
とはいえ、何の指針もなく闇雲に実践に突入するのではなく、適切なプロセスを
踏むほうが効率的、効果的です。私の研修や実務サポートでは、この暗黙知に近い
スキルを可視化、体系化して、できるだけ分かり易く身に着けてもらうことを
目指しています。