最近セミナーなどでこういう例を出すことがあります。
「残業が多い」という問題をデータで解決してください。
もちろん、仮想的に考えてもらうのですが、多くの人がまず例えば「曜日別に残業時間を調べる」と言います。
そして、もし”水曜日に残業が多い“ことが分かったとすると、「水曜日を定時退社日にしよう」という方策案を出します。
これは”データを有効に活用した方策“でしょうか?
データで曜日別や部署別に分解し、より具体的な問題の特定をすることはOKです。ただ、でもこれはあくまで現状把握を細かくしたに過ぎず、この次の方策に飛んでしまうと本当にこの方策は根本的な解決をするのか、は怪しくなります。
水曜日の残業が多いのは、仕事の効率または量の問題なのか、更にはその背景や要因を見つけなくてはなりません。
例えば、効率の背景にはスキルややる気の要因、量には不適切な業務分担、突発業務の多寡などがあるかもしれません。
そのためには、各要素を指標化する必要もあります。
いずれにせよ、対策はこれらの要因に対して有効なものを置かないと全く解決しないでしょう。少なくとも「水曜日を定時退社日に」ではどれも解決しそうにありませんね。
これは、データ分析そのものの手法とは別な話(スキル)です。しかし、このプロセスや解決方法を知らずにデータ活用は遠い話なのです。これは民間でも行政でも同じ課題を感じます。
あなたの組織では、データ活用が「現状把握」にとどまっていませんか?その次はいきなり方策に飛んでいませんか?