実務データ分析虎の巻Vol.96~2つの軸で評価する
データ活用の基礎的なテクニックの一つが、1つだけでなく、2つの軸での評価です。
ここで言う”軸“とは、「尺度」や「評価基準」と言い換えても良いかもしれません。
私が行っている自治体のデータ活用サポートの中から、わかりやすい例を一つ紹介します。
和歌山県紀の川市で行ったワークショップのアウトプットの例です。
「人口減少」問題をデータで可視化する際に、良くあるのは、人口の推移を折れ線グラフや棒グラフで示すことではないでしょうか?
それを他地域と比較しようとすると、ぐちゃぐちゃなグラフになって比較評価がしづらくなります。
この図は、人口減少を「自然増減(出産人数―死亡人数)」と「社会増減(流入―流出)」を縦横2軸に取り、他地域との比較を行ったものです。
左下に赤字で示されたものが「紀の川市」です。両軸とも減少しているのですが、自然減の影響のほうが大きいことが分かります。
またそのバランスを他地域と比べることもできています。
「住みやすさ」でランクインした他の自治体(右端)の人口増が、流入によるものであることもデータから読み取れます。
これはあくまで例ですが、目の付け所一つで簡単にできるテクニックの一つです。
面白い2軸を組み合わせて、興味深いストーリーを見出してみましょう。