統計的精度はどこまで必要か
セミナーや研修の中で「相関係数が0.46だと基準の一つである
0.5に比べて低いので使えないのですがどうすればよいですか?」
といった質問を頂くことがあります。
統計やデータというと、とても細かい数値や基準に厳密に従うべき
という発想に捕らわれ過ぎている人が多いように感じます。
もちろん経験がなく、何かしらの指針(基準)に頼らないと自分で
判断する自信がないという状況はあると思います。
一方で、学術論文を書くわけではないので、最後はその人の
「覚悟」や「腹の括り度合」で決めてしまってよい、
とお伝えしています。
例えば、相関が基準より低いとはいっても、ある程度であれば、
実際の結果が分析の想定を外したとしても、自分で何とか対応・
調整できるだろうという踏ん切りさえあれば、実務上問題ないのです。
むしろ全てを厳密に基準通りに判断した結果、「どの分析結果も
結局使えなかった」というほうが、実害が大きい場合もあります。
「あなたは分析の精度を追い求めますか?それとも行動や判断に
必要な情報を(あとは自らマネージできる範囲まで)最大限
引き出すことを狙いますか?」