情報のサマリー力
情報(データ)を入手することについては、量・質ともにかつてに比べ簡単にできるようになりました。
ただ、それらの情報やデータを目の前にしたときに、
「つまり、そこから言えることは何か?」
を考えるときに「気が抜けてしまう」ことが多々あるようです。
具体的には、情報から”推測・解釈できること“を過剰に加えて、事実に基づかない結論を作ってしまいがちです。
例えば、次の情報がデータから読み取れたとします:
(情報A)日本人のランチに費やす時間は短い
(情報B)日本人の歩くスピードは速い
この2つから結論を言え、と言われると「日本人は忙しい」や「日本人はせっかちだ」といった結論が良く出ます。
でも元の情報を見てください。観測された情報の”背景(忙しいからなのかどうか)“や、日本人の”気質(せっかちなのかどうか)“についての情報は全くありません。
全くこれらとは違う背景や気質なのかもしれません。
となると、先ほどの結論はいずれも「データや事実に基づいた客観的なもの」とは言えません。
データが活かされていないのです。
私は情報を正しくまとめ上げる力を「情報・データのサマリー力」と呼んでいます。
この意味で、先の解答例はサマリー力があるとは言えません。
当然データを扱う上で極めて重要なスキルだと思いますが、これってデータ分析や統計の本読んでも全く書いていないですよね。
私は自分の研修やセミナーで扱います。
先の例では「日本人はより短い時間で日常生活を過ごすことがある」などは、どうでしょう。
皆さんも、もっと良い答えがないか、是非考えてみてください。