実務データ分析虎の巻Vol.86~「正しいデータを使う」はこんなにも難しい


「正しいデータを使う」はこんなにも難しい

「XX業界での人手不足が問題となっている」

 例えばこの問題をデータで表現・把握する場合、どのようなデータを使えば良いでしょうか。

 とあるワークショップで出てきたのが、XX業界での就業者数の推移を示す(折れ線)グラフでした。

大幅な右肩下がりのグラフが、事の深刻さを物語っている・・・・・と言いたかったのだと思いますが、私はここで”待った“をかけました。

 

なぜなら、ここで定義した問題は「不足」であって「減少」ではありません。

グラフと問題が一致していないのです。

 

不足」を示すのであれば、必要な人手(需要)に対して、現在の人手(供給)が足りていないことを示さなくてはなりません。

分析者の中で「減少しているのだから不足が起きているに違いない」と想定してしまうことで、データの客観性と論理性がつぶされてしまっています。

 

”何が言いたいのか“

つまり、「問題を具体的に明確にし、適切なデータを選び取る」のは、分析手法や統計以前に最も大事な出発点と言えます。これが合っていなければ何をやっても無駄だからです。 

 

このような演習やワークショップを実施する機会が民間、自治体などで大変増えました。


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