新潟県燕市役所で行った「自治体の課題解決のためのデータ分析活用プロジェクト」
毎年続けていますが、こちらは4年前に行ったプロジェクトに関してです。
頂いたお題は『子供の貧困問題』。隣の弥彦村の職員も含め、様々な部署からのメンバー8人で構成するプロジェクトが始まりました。
“貧困”というと、経済的な状況が真っ先に思い浮かぶ人が多いと思いますが、貧困の定義によっては、お金だけでなくその他生活環境や精神的な状況なども関連します。
一律に「世帯年収XXX万円以下」といった尺度を思考停止したまま使うと、本当の課題を拾いきれないリスクがあります。
プロジェクトでは、この“定義”の部分にかなり時間を掛けて議論をしています。
同様に、他の地域課題として「人口減少」があります。
これについても、課題定義が曖昧だと、とりあえず「XX年前からXXX人人口が減った」ことを問題視してその要因特定を進めてしまいます。
恐らく、既に全国的に言われ尽くされた内容に行き当たるだけでしょう。
そして一自治体だけで解決することも難しいと思います。
一方、人口が減っていること自体を問題とするのではなく、「我が地域は周辺自治体と比べて人口減少率がより高い」と定義すれば、見るべきデータ(指標)が変わることに気づくことが重要です。具体的には、他地域との比較結果から差を見出して問題を捉える必要があるのです。
つくづく、「データを活かして成果につなげる」とは”データ有りき“ではなく、論理思考に基づいたしっかりとした課題定義などが不可欠であることを痛感します。