
実務データ分析虎の巻Vol.86~「正しいデータを使う」はこんなにも難しい
「XX業界での人手不足が問題となっている」
例えばこの問題をデータで表現・把握する場合、どのようなデータを使えば良いでしょうか。
とあるワークショップで出てきたのが、XX業界での就業者数の推移を示す(折れ線)グラフでした。
大幅な右肩下がりのグラフが、事の深刻さを物語っている・・・・・と言いたかったのだと思いますが、私はここで”待った“をかけました。
「XX業界での人手不足が問題となっている」
例えばこの問題をデータで表現・把握する場合、どのようなデータを使えば良いでしょうか。
とあるワークショップで出てきたのが、XX業界での就業者数の推移を示す(折れ線)グラフでした。
大幅な右肩下がりのグラフが、事の深刻さを物語っている・・・・・と言いたかったのだと思いますが、私はここで”待った“をかけました。
皆さんはデータを使って何ができているでしょうか。「売上や経費の実績などを予算比や前年度比で管理している」など“現状把握”にしか使われていないということはないでしょうか。
私は研修の中で、様々なデータを用いたグラフを使って演習を行います。
その際に、それらのグラフを見ながら考えてもらうポイントは、「このグラフから何が言えますか?」ではなく、「このグラフを作った人は、(グラフ作成の前に)何が言いたかったのでしょう?」です。
「男vs女」、「値引の実施vs未実施」など、複数の“定性的”な違いを数値で確かめるクロス集計という方法があります(詳細は是非検索を)。
私のTwitterで反応が高かったいくつかのメッセージをご紹介します。もちろん私自身が、とても大事、本質だと思っているからこその内容で、それに多くの方が共感されたことを嬉しく思います。これらが皆さまのお役に立てば更に嬉しいですね。
「仮説の作り方」に興味がある方は多いと感じます。一方、”良い仮説“とは何か?を把握されている人は決して多くはありません。
私が考える“良い仮説”の条件は次の2つです:
「我が町の人口減少問題」について、高校生たちに”どうデータで立ち向かうか”を考えてもらいました。
私は情報を正しくまとめ上げる力を「情報・データのサマリー力」と呼んでいます。この意味で、先の解答例はサマリー力があるとは言えません。
セミナーや研修で「課題を具体的に定義し、仮説を設定する」ことが如何にデータ分析の実務活用に必要かをあの手この手でお伝えしています。その中でも、分かりやすく伝わると感じるフレーズがこれです。
「データを活かそう」と現実の課題やプロジェクトに取り組むと、結論となるメッセージと使われているデータが指し示すことが一致していない問題を度々目にします。これは特にこれまでデータを十二分に活用してきた経験がない方に共通してみられます。